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大野さんとラットパークの仲間たち

先月末のことですが嵐が活動休止を発表したときの5人の記者会見をご覧になったでしょうか。
重苦しい内容かと思いきや、まれに見る和やかな雰囲気のいい会見でしたよね。

これまでの1年半の間、今後の方針を話し合う中で、他のメンバーに「最後まで笑っていよう」と言われたときに「嵐のメンバーでよかったなあ」と感じたと語る大野さんを見て、つい私もウルッと来ましたし、大野さんが答えにくそうな鋭い質問にはすかさず他のメンバーがフォローに入って対応する様子は見ていて爽やかな気持ちになりました。

ニュースを知ってショックを受けたファンの人達も、この会見を見てあらためて嵐を応援して行こうと思ったのではないでしょうか。

この会見を見ながら私はラットパークという実験のことを思い出していました。


ラットパークは1970年代にのカナダ人心理学者ブルース.K.アレクサンダー博士が行った、薬物の依存性を調べる実験です。

麻薬には依存性があることは当たり前に知られていますが、その原因は19世紀には「意志の弱さ」にあると考えられ、20世紀になると麻薬自体の科学的な構造にあることがわかってきました。しかし、アレクサンダー博士は依存症の原因は薬物自体の依存性ではなく、孤独やストレスなど周囲の環境によるもので、その苦痛を軽減するために人は麻薬に手を出すのではないかと考えました。

そこでラットを1匹ずつ入れた18✕25cmの周囲の見えない実験用ケージと、その200倍の広さの囲いの中に充分なエサやおもちゃと共に16~20匹のラットを入れた「ラットパーク」を用意しました。それぞれに普通の水とモルヒネ入りの水を用意し、モルヒネを混ぜた水は苦いので砂糖を混ぜて甘くしました。

実験用ケージのラットは砂糖を減らしていってもモルヒネ入りの水を好んで飲むようになり、ラットパークのラットはどんなに砂糖を入れてもモルヒネ入りの水を嫌がりました。そして実験用ケージではモルヒネに依存性を示すようになったラットも、ラットパークに移すと普通の水を飲むようになったというのです。

この実験は、麻薬依存症の原因は麻薬の依存性よりも環境要因が大きいことを示しています。

※もちろんアレクサンダー博士は麻薬の構造的な依存性も認めています。


人間の場合ケージに入って生活することはないのですが(刑務所に入っている人は置いといて。。)有名人がひときわ不自由で不便な生活環境なのは想像に難くありません。自分で選んだ職業とはいえ、アイドルが恋愛禁止にされたり、外出しても一挙一動を監視されたりとケージラットのような窮屈さです。有名税、なんて言葉もありますけどメンタルを削ってまで払いたくないものです。

海外ではアルコールや薬物のOD(過剰摂取)や依存で亡くなってしまう有名人が多く、ニュースを聞くたびに、この人はケージラットのような気持ちだったのかなと思い悲しくなります。(もちろん「不自由な生活」以外にも各々に他の原因もありますが)

人間はラットとは違いますから食べて遊んでいれば幸せというものでもなく、快適な生活環境もそれぞれ違います。常にそばに誰かいないと不安な人から一人の時間がないと耐えられない人、ネットで炎上したり叩かれてもケロッとしている(ように見える)人から他人の評価が気になって本来の自分を押し殺してしまう人、家庭内の人間関係が一番のストレスになるときも多く複雑です。

私は「すぐに会える距離に浅い話も深い話もできる、信頼できる友人や親類がいる一人暮らし」くらいが自由であって孤独ではない快適なラットパークかなと感じるのですが、皆さんはいかがでしょうか。


大野さんの細かい心理状態は解らないですが「自由に生活してみたい」「一度立ち止まって自分を見つめ直したい」という気持ちをもってメンバーに相談を持ちかけたときの大野さんは相当参っていて、生活の満足度が低かったのだと想像できます。
同業者・同世代の悩みを共有できるメンバーに相談したのは素敵な選択でした。

それにしても大野さんは「事務所を辞めないなんてことは許されない」と考えたり、メンバーに何度も話し合いを持ちかけたりと、とても生真面目で責任感のある人です。
今まで「こんなぼ~っとした人が何故リーダーに?」と思っていましたがきっと信頼できる筋の通った兄貴なのでしょう。

他のメンバーもそんな大野さんが思いつめているのを見て真剣に受け止めて最善の解決法を模索してくれたのではないでしょうか。
絆が強まった仲間達との会見での大野さんは案外晴れやかな表情で、少し以前より開放されている気がしました。

休止中は自由な生活を満喫できますように。

参考資料(HP)
◎wikipedia(ラットパーク)
◎Rat Park drug experiment comic about addiction

楽しい隠し撮り

お正月のケージなどの片付けや掃除も終わり、この一週間ほどは遅い休みを楽しんでました。
年末年始の世の中のイベント感は全く実感できないまま過ぎてしまいますが、他の人達が仕事を始めてる中で自分の時間をゆっくり過ごすのもいいものです。

それにしてもお客さんのうさぎたちは私と、そしてよく知らないうさぎ仲間とカウントダウンしているのだから何だか不思議^^
飼い主さんは自分のうさぎがお泊りの間、どう過ごしているのか気になりますよね。毎日短いご報告はしていますが。。さすがに10匹超えてくると全員に目を行き届かせるのは難しいので私もそれぞれが今何しているのか気になります。なので各部屋にカメラを設置して外出中や夜はスマホで見たりなどしています。
今は設定も簡単で値段も安いものが多いですし、赤外線など暗視機能がついてると夜も見られて楽しいですよ。

揺れてて見づらいですが下の動画は別室の夜中の様子。ケージ2個分くらいの小さいサークルスペースで預かった女の子3人衆です。左からハッピーちゃん、花菜々ちゃん、おはぎちゃん。誰も撮られていることに気づいていないのだからうさぎにプライバシー無しですね~笑。みんな眼が光っていてワイルド感があり、ナショジオのドキュメンタリーを見ているようです(?)
まだ子供のおはぎちゃんが体力が余って暴れているよう。ハッピーちゃんと花菜々ちゃんは気になって寝れない。。といった感じでしょうか^^
お泊り中は他のうさぎさんからの刺激は多くて退屈しないかもしれませんが、気を張っているでしょうし自分のペースで生活できないので疲れますよね。
うさぎさんたちもお家に帰ったら働く飼い主さんを横目にゆっくり休んで下さいね。


ベジタリアンになりたい?2

昨年に引き続き、今年も11月4日にoxbowとカワイのセミナーに行ってきました。講義をしてくださったのは1997年から香港で獣医師をしているイギリス人のDr. Tigerさん。
講義の内容は歯科疾患だけでなく、全般の飼育指導的なものでした。
香港と日本のペットとは飼育環境が似ていて、夏はとても暑く家賃も高いのであまり大きくないマンションで大家族で住んでいるというパターンが多く、住宅環境も割と近いかも。夏場のペットの生活エリアの温度管理についてのアドバイスをすることも多いそうです。
その他にも歯の異常を示す兆候について(唾液分泌、食欲低下、体重減少、フンの異常、頚部のシコリ、被毛の異常)、顔を正面から触れて顎の腫脹や眼球の位置の異常をチェックすることが早期発見に繋がるというようなお話は興味深かったです。飼育書やネットの飼育方法などに書いてありますのでもう皆さんご存知ですね。

昨年のコントラフリーローディングの講義の方が目新しさがあったかな。コントラフリーローディングは、苦労して食べものをとらなくてもいいのがペットのメリットなのに「ただで食事が出てくるなんて退屈でストレスになる」という考え方。本末転倒じゃどこまでいくの動物福祉、といった面白さもありました。今のペットは人間が羨ましくなるくらい優遇されてたりしますからね。

講義内容と全く関係ないのですが私が気になったのはDr. Tigerさん、15歳のときからヴィーガンだと言うことです。
理由まではわかりませんが獣医さんなので動物愛護目的か、もしかしたらアレルギーなどに悩んで始められたのかもしれません。いずれにせよ若いときから美味しいお肉の誘惑に負けず(?)30年以上は続けてるのは尊敬してしまいます。
ヴィーガンに興味があるという人も増えていると思うのですが「栄養不足などで健康上の悪影響はないの?」というところが気になりませんか。
でもDr. Tigerさんを見る限りではツヤツヤしてとても健康そう。。健康不安はないなと思いました。

最近は日本でもベジタリアンやヴィーガンは増えているようです。家の近所にもヴィーガンカフェがあるので昨日娘と食べに行ってみましたが、思った以上にボリュームがあって美味しかったです。

ファラフェルのプレートと2種の野菜カレーのプレート。ファラフェルはひよこ豆で作った中東風の揚げ物で肉団子みたいな味でした。

wikipediaの表をみると2014年の時点で日本人の4.7%(ヴィーガン2.7%)、リンク元のアニマルライツセンターのページでは10代のヴィーガン率が9%となっています。10代の約1割も? 凄いけど私の周りに1人も居ない笑。どこに集中しているのやら。
確かに最近の若い人は動物愛護や環境問題への意識が高そうですし、農耕民族で精進料理の文化もある日本人にはもともと菜食主義は馴染みやすいのかもしれません。

ベジタリアンをやる理由も人それぞれ、日本人では少ないですが宗教上の理由や、体質改善など健康上の理由、動物愛護の倫理的な理由、環境問題(メタンガスの排出を減らす、森林保護目的)などなど。

「マツコの知らない世界」にも出演された元東大教員フルーツ研究家の中野瑞樹さんは「自らの身体で実験するため」にフルータリアンを9年間も続けています。(現在も記録更新中)
砂漠の緑化の研究をされていたそうなので環境保護的な理由もあるかもしれません。
果菜(トマトやキュウリなど)も食べているようですが、水も飲まず、必要な水分はフルーツから摂取し、塩分が不足してしまうのでメロンの皮などをぬか漬けにして塩分補給をしています。
みかんのお陰で骨密度も高いらしいし、中野さんの腸内には空気中の窒素をタンパク質に変える菌がいるとかいないとか。
今後も体に支障がなければ生涯フルータリアンを続けていくつもりで、亡くなった時は献体するそうです。
亡くなってからも研究者魂を貫くのがカッコいいです。


最近はベジタリアンも細分化してきて緩いのからストイックなものまで様々。

 

さて乳製品と卵と蜂蜜はなぜ別扱いなのでしょうか。

◎乳製品に関しては乳牛の過酷な労働環境や妊娠出産を人為的に繰り返させること、チーズの製造に仔牛の胃から採ったレンネット(凝乳酵素)を使っていることなどが理由です。乳製品を摂るラクト・ベジタリアンもレンネットは食べません。
ただレンネットは現在はあまり使われておらず今は90%は植物由来か微生物(カビなど)から作った微生物レンネットが使われているようです。

◎卵に関しては身動きもとれない狭いバタリーケージでの劣悪な飼育環境や、レグホンのような食肉に適さない種類のニワトリのオスは生まれて間もなく選別されて機械にかけられて処分されてしまうことが問題視されています。
私は今まではあまり気にしていなかったのですが、最近この動画を見て相当気持ち悪くなったので卵やめたい意識が俄然強くなりました。
※有名な動画みたいですが残酷なので気をつけて。

調べてみると海外では2016年にドイツ・ドレスデン工科大学とリトアニア・ヴィリニュス大学の研究チームが、孵卵器で暖めはじめて4日めの有精卵にレーザーを照射して雌雄判別する技術を開発したり、アメリカの卵の95%を生産している鶏卵生産者団体(UEP)が、2020年までにオスの雛の殺処分撤廃を目標にしていたりと、ヒヨコくん達の悲惨な状況を改善しようという動きが進んでいます。
かたや日本の農林水産省のHPを見ると現場のニーズとして「孵化前の卵の段階での雌雄鑑別技術の確立」の技術を募集中。。
今のところ避ける方法としては卵を食べないか、食肉もできる卵肉兼用種のニワトリの卵を買うことです。通常スーパーなどの卵には品種まで書いてないので難しいですけどね。

◎蜂蜜はやはり蜂の労働環境が過酷であること。一生懸命働いて集めたハチミツを根こそぎ持っていかれてしまうなんてひどい。。稼いでも重い税金や年金やローンがのしかかってくる、現代の日本人はちょっと蜂に共感しちゃいますね。
他にも「蜂群崩壊症候群」など原因不明に突然数が減ることから蜂を保護するためにも避けているようです。

ただ「野菜の生産過程でも農薬で虫たちを大量虐殺してるんじゃない?」とも思いますよね。逆に「花粉を運ぶ蜂は植物の繁栄に欠かせない益虫だけど農作物に付くのは植物も病気にする害虫が多く、扱いが違う」という見方もあり、この論争はキリがなさそうだし難しいです。虫の種類による差別だ? そりゃトンボとゴキブリじゃ家に入ってきたときの対応は違うよねぇ。

こちらはやや緩めのなんちゃってベジタリアン。タリアンがゲシュタルト崩壊してきましたよ。
細かい説明はwikipediaを見てね。

 

「ベジタリアンになりたい」とか言ってますが実は今のところ私はベジタリアンではありません。
特にヴィーガンはそれ用の食料品が少ない上にお高い。。日本でヴィーガンを徹底してやるのは金銭的に余裕がないと難しそうです。
「ラクト・ベジタリアン+魚介類」あたりでいこうかしら。
でも人と食事する時は同じものを食べるだろうし、卵が入ったマヨネーズやアイスクリームも食べるかも。。コンソメとかガラスープも使っちゃうかもなあ。
成長期の子供とか激しいスポーツをやってる人なども私は動物性タンパク質は必要だと思います。

分類にはあまりこだわらず、各々が買うもの・食べるものの生産過程を知った上で、もやもやしたり納得いかないものは避けたり減らしたりすればいいのではないでしょうか。
良好な環境で飼育された家畜の肉だけを食べる、なんてことも動物福祉や環境改善に効果があります。あくまでも無理のない範囲でね。
納得したものを選ぶためにもそれぞれの食材の生産の過程を知ることは大事だと思います。

参考資料(HP)
◎wikipedia(菜食主義)
◎アニマルライツセンター
 アニマルライツセンター Hope for Animals オスは処分
◎フルーツ研究家 中野瑞樹(youtube)
 中野瑞樹インタビュー(J-WAVE NEWS)
◎名糖産業HP 酵素
◎農林水産省 技術イノベーションに係る現場ニーズ一覧

ペットの感染症

ニュースでご存知の方も多いと思いますが、8月に都内にある猫カフェで猫パルボウイルス感染症(猫汎白血球減少症)が蔓延し数匹のネコが犠牲になりました。
店からの公式発表と営業停止までに時間がかかったことから、その間に店を訪れたお客さんの多くが感染猫と接触してしまい、猫飼いさんや猫カフェ界隈では大問題になりました。
でもやはり感染するのが猫だけなためか、ニュースにはなったものの1ヵ月も経たないうちに店は営業再開し、問題は大方収束してしまった感じです。
ワクチン接種をして適切に猫を飼っている方が多いお陰で感染も広がらなかったのでしょう。

もちろんカフェの猫たちも全員ワクチンを打っていたようですがパルボの感染は100%予防できるわけではなく、子猫などで接種時期によってはうまく抗体ができないこともあるのです。
今HPを見ると該当の店のスタッフは全員今年生まれの子猫なので、8月以前も子猫カフェ状態だったなら不幸にもワクチン効果が得られなかった子が亡くなったのでしょうか。
感染した猫は回復した後もしばらくはウイルスを排出し、体外に出たウイルスは6ヵ月~2年は感染力が持続するそうなので、運良く生き延びたスタッフ猫ちゃんたちもしばらくは油断できません。今いる店のスタッフ(新入社員?)は健康に過ごせますように。

パルボウイルスはうさぎには感染しないので私はパルボに関してはほとんど無知だったのですが、調べてみると発症から死亡までの症状の進行の速さやウイルスの感染力の強さが尋常じゃなく、しかもアルコールや熱湯消毒が効かないという厄介なウイルスのようです。

猫カフェや多頭飼育でパルボが発生した場合の最低限の対応ガイドラインやマニュアルみたいのはないのでしょうか。

今年の7月に山梨にあるCat Room ねこりばという里親募集もしている猫カフェでもパルボが発生したそうですが、そのカフェのオーナー様及びスタッフの対応が素晴らしく、記事を読んで感動してしまいました。マニュアルにしてもいいくらいな気がします。

「命を落とした猫はゼロ!「Cat Room ねこりば」に学ぶ”パルボウイルス感染症対策”」

こんな愛と情熱に溢れた人間たちにお世話されるカフェの猫ちゃんたちは幸せでしょう。猫カフェもピンキリです。


うさぎの感染症でよく知られているのはスナッフル(鼻炎)とEz症(エンセファリトゾーン症・斜頸などの脳の障害を起こす)です。一応人間にも感染すると言われてはいますが症例は見当たらないのでよほど抵抗力の落ちた人じゃなければ大丈夫だと思います。
スナッフルの代表的な原因の「パスツレラ」という菌は哺乳類・鳥類の多くが常在菌として持っているので動物と接触する上では避けられません。Ez症の原因のエンセファリトゾーン・カニキュリという原虫(最近は真菌という説あり。それでも駆虫薬のフェンベンダゾールは有効なのかな?)もうさぎの何割かはキャリアと言われており、これも気を使いながら接触するしかありません。
もちろん罹患した子は隔離し、お世話の後ではまめに消毒したりと気は使いますが、Ezでも体外に出て感染力が持続するのは1ヵ月程なのでパルボほど長期間気にしなくてもOKです。
Ez症のワクチンができるとうさぎ飼いとしてはとても嬉しいですねえ。

パルボは違いますが、今年の動物取扱研修が人獣共通感染症についてでした。これから研修を受ける方もいると思いますが、講義の先生のパワポ資料がてんこ盛りでしたので少しまとめてみました。
もちろんこれで全部ではなく、割と日本で身近なものだけです。

◎日本でわりと耳にしがちな人獣共通感染症

 

「猫に引っかかれたらミミズ腫れが!」といった軽症なものから、発症したら必ず死亡するものまで様々です。
予防としてはベタですが、動物と接触後の手洗いやお世話するときのマスク着用など、菌に関しては常在菌や弱毒微生物の日和見感染が多いので免疫力が落ちたときや老人・幼児などはあまり接触しないようにといったことでしょうか。
でもこれだけ災害・水害の多い日本で感染症が蔓延しないので、一般に公衆衛生の知識が浸透しているのですね。

参考資料(HP)
NIID国立感染症研究所 感染症の話
パルボウイルスwiki
【猫カフェ】mochaのパルボ騒動について

ブン所長、抜け毛に悩む

早々と梅雨明けしたせいで本格的に夏っぽくなりました。このまま3ヵ月近く暑いのかと思うとうさぎも人間もうんざりです。
ブン所長は今年は6月に入ってから少し遅めの換毛が始まりました。
その後、換毛している途中に更に次の換毛が始まってしまったので、今回は今までで一番抜け毛の量が凄かったです。
所長は普段はあまりブラッシングなどしないのですが6月中はほぼ毎日。
今はお尻に少し毛が残っているくらいで大分落ち着きました。

 
 

1回目の換毛が腰まで進んだ状態①で、脇腹から2回目の換毛が始まっています②。
色の濃い部分は新しく生えた毛、毛先が薄いのが古い毛です。アグーチ系のうさぎの毛はなぜか生えたばかりの時は濃い色をしていて、伸びてくるとだんだん薄くなっていくので換毛のプロセスが解りやすくなっています。

 

あまりの激しい換毛のせいでウエストにくびれができたセクシー所長。
うさぎさんは高齢になるにつれ換毛が激しくなる気がします。人間のように加齢で抜け毛の方が多くなってくるというのもあるでしょうし、だんだん毛づくろいが雑になって抜け毛の手入れが間に合わなくなるのかもしれません。

実際歳をとると被毛が減って薄毛になるので若いときよりは暑さに強い反面、寒がりになってきます。
10歳くらいになったらTシャツ+トレーナーくらいの体感じゃないかな。(主観的ですが^^)

 

それにしても今回はやけに激しいので病気じゃないかと心配になってしまいました。

うさぎが脱毛する病気としては
◎寄生虫(ダニ)
◎ビタミン欠乏症
◎皮膚糸状菌症
◎皮脂腺炎
◎皮膚リンパ腫
◎ホルモン疾患
(未避妊のメスの巣作り目的の毛むしりだけでなく、未去勢のオスも強皮症様症状がでて脱毛することがあり去勢手術で治るらしい)
こちらストレスで脱毛していた頃の所長。

所長は痒がっている様子はないしフケもなし、皮膚が炎症している様子もなし、腫瘍らしきものも見当たりません。
ホルモン疾患は未去勢・未避妊の子の話なので避妊済みのブン所長はクリア。
ビタミン欠乏症に関しては見た目では解りませんが。。
換毛中は普段よりタンパク質を多めにとったほうがいいと言われていますが、所長は換毛し始めてから食欲が旺盛で、ここ数年はオーツヘイばかり食べてあまり手を付けなかったチモシー1番刈りもよく食べるようになりました。
ビタミン欠乏はしてないんじゃないかな?

牧草はお腹の中の微生物により発酵して、うさぎさんはそこで増えた微生物やその生産物からタンパク質やビタミンを摂取していますから牧草をたくさん食べればタンパク質・ビタミン補給になるのです。
野菜だとアシタバ・しそ・パセリ・ブロッコリーなどがタンパク質多めですよ。

 

生野菜を食べると酵素の働きでタンパク質の吸収率が良くなり野菜から摂れる水分は毛球症の予防にもなります。
パパイヤ・パイナップル・マンゴーなどの南国系フルーツもタンパク質分解酵素が多いことで知られています。

干したフルーツもいいですが、お腹の中で水分を持っていかれますので消化酵素や毛球症予防の効果を期待するなら生のフルーツをおすすめします。どうしても必要なものではないし糖分が多いのでうさぎさんの体調と相談して少量をあげるようにして下さい。
所長は「キウイはオヤツじゃなくて毛球症予防のために食べているのだ」と言い張っています。

参考資料(HP)
Medirabbit:Case report: Bilateral symmetrical alopecia in an unaltered rabbit
Medirabbit:Hair loss (alopecia) in rabbits


お菓子のビニール袋を追いかけて荒ぶるブン所長。

何歩先行く? スイスの動物福祉法


今年の初め頃にニュースで見た方も多いと思いますが、1月にスイスで「生きたままのロブスターを茹でててはいけない」という法律が成立しました。
「ロブスターは痛みを感じる高度な神経系を持っている」と言われる研究結果を踏まえて、今後は茹でる前に即死させるか、電気ショックなどで失神させてから調理しなければなりません。
今回の法改正ではその他にも、ロブスター以外の甲殻類も生きた状態での氷漬けは禁止され、海水につけたまま運送や保管をしなければならなくなりました。
内陸のスイスに海水ごと運ぶのは、コストがかさみそうだし鮮度も微妙そう。。
そもそもスイスは1991年から鶏のバタリーケージを禁止している、動物愛護では何かと進んだ国なのです。

スイスの動物福祉と権利法では2008年からブタやモルモット、インコ、金魚などの単頭飼育が禁止されています。もともと集団生活する動物なのに、仲間と関わらせてあげないのは適正飼養ではないというわけです。
でも、もしモルモットを2匹飼ってても必ずどちらかが先に死んでしまいますね。そんなときのためにスイスにはモルモットの貸出業者まであるのです。

その他にも
・フックを使った釣りをする人は人道的な方法で釣るための(?)有料講習を受けなければならない。当然キャッチアンドリリースや生き餌は禁止です。
・犬のオーナーは犬の行動・心理についてそれぞれ有料講習を受けなければならない。
・病気の金魚は化学物質で安楽死させなければならない。
と様々な動物愛好家の意見が反映されているのが推測できます。

もちろん、実際ペットを飼っている家が一軒ずつチェックされることはないので、努力義務的な感じだと思いますが、モルモットやインコにとって孤独がストレスになるのだ、と国民に周知されるだけでも動物への理解が深まりますね。

日本の動物愛護法では魚類は対象になっていませんし、住宅事情もあって実現が難しいものもありますが、いずれ動物福祉の水準が上がってくれば、踊り食いなどは当然ながら、いつかアサリの酒蒸しも食べられなくなるのかもしれません。(冷静に考えるとアサリも可哀想な気がします)

一方で、スイスの一部の人達は猫の毛皮に触れることでリウマチの痛みが軽減できるといまだに信じていて、国内では数年前まで猫の毛皮のコートや毛布が合法で取引されていたようです。

日本でも未だに犬猫、蛇の皮などで楽器を作っているし(中国等からの輸入ですが。楽器は動物材料のものが結構多い)古くからの伝統は慣れちゃってるので案外見落とされがちなのかも。

「野良猫が猫取り業者に捕獲されて三味線にされている」という都市伝説(?)もあるようですが野良猫は皮に傷がついていて使い物にならないらしいです。
この辺の真偽は不明なのですが。。実際今売ってる三味線はほとんど合皮か犬皮です。
最近はまた和楽器がブームになってきているので、もし何か始めようという方は是非合皮でできた楽器で練習したらいいと思いますよ。
音が違うって? 知らんがな^o^

参考資料(HP)
Switzerland’s Cat-Fur Trade
Swiss law orders pet buddy system
This Country Is Making It Illegal to Boil Live Lobsters

うさぎの穴掘りマニュアル

先日のお見合いで里親様一家と意気投合したロンくん。連休明けのトライアルをルンルンしながら待っています。最近は庭のハコベがお気に入りで夢中で食べてます。

 

ところで皆さんのうさぎはこんな行動をすることはありますか?
よくうさ飼いさんの間では「シワ伸ばし」と言われる行動です。うちの先代のウサ(オス)は全くやらなかったのですが、メスのブン所長は頻繁にこの行動をします。

特にこの薄手の羽毛布団がお気に入りらしい。
メス特有の巣を整える行動かと思っていたのですが。。。


ロンくんは先月ここに来たときから穴掘りが好きであちこち掘り返して遊んでいます。

 

所長は今までは全く庭で穴掘りをしなかったのですが、ロンくんを見て「面白そう」と思ったのか「庭の穴掘りアリなんだ!」と気付いたのか

 

真似して地面を掘り返すようになりました。

 

こちらがロンくんが掘った可愛いらしい穴(やる気あんのか?^^)

 

こちらがブンちゃんの掘った穴。所長としてのプライドが見えます。

 

ブン所長の穴掘りの現場。普段やっているホリホリの後の噛みちぎるような動作、シワ伸ばし動作も何がやりたいのか理解できました。
個人的にはジャリを鼻先でどかす仕草が萌たまらんです(*´o`*)♡


それにしても庭が台無しである。。(TДT)


ちなみにロンくんは所長が整えた土の上でひんやり寝そべってご満悦。
もしやうさぎ世界でも女が家事と育児をワンオペでやっているのに、気が利かない男はダラ(ry

 

そして2人ともこの足で出入りするのだから家の中も台無しなのである(;∀;)

 

所長の健康診断

早いもので2月も終わり、昼間は暖かい日も多くなってきました。
今年の冬は一際寒かったので、お客さん達の体調管理にも高騰する野菜の値段にも悩まされました。

ブン所長も今年の1月で里子に迎えてから丸5年になりました。おそらく6歳~7歳というところかな。

目立った身体の衰えは感じませんが、この冬は今までほとんど使わなかった電気ヒーターの前で毎晩過ごしていたので、ちょっとおばちゃんも冷え性になってきたのかなと思いました。今年は実際寒かったのもありますが。

 


念のため半年に1回くらいは健康診断に行って全身の触診と血液検査を受けています。
女の子なのでプライベートゾーンはお見せできません。
ブ「フフッ、壇蜜ならぬブンミツよ」

 

牧草も昔ほど食べませんが歯もいい状態でした。
3年前に足が痛そうで食欲が落ちるという謎の体調不良をおこした以外ではお医者さんにかかることもなく健康でいてくれて、何よりありがたいことです。

 

 

【2016年と2017年の血液検査結果】を表にして比較してみました。
「考えられる疾患」は病院でもらった検査結果の用紙に書いてあったものを載せています。

赤字=多すぎ  青字=少なすぎ

 

◎血糖値の数値が2年前から改善している\(^o^)/
昨年変更したことといえばペレットを減らした(10g→8g→今は5g)くらいなのでそれが効果があったのかな?(不確定です)
歳のせいか本当に少しずつですが全体の食事量が減っていくので、牧草の量を維持するためにペレットを調整しています。今は4g~5g/日。半量を朝にあげて、夜は残りの10粒くらいを犬のオモチャに入れて遊ばせていますが、少なくなってくると出てこないので飽きてきて大体少し残してます。

私はペレットをあまり信用していないのでなるべく減らしてますが、普通はここまで減らさなくていいと思います。
ただ健康な大人うさぎのペレット量は体重の1%/日を超えないようにして下さい。

 

◎逆に貧血気味なのが進んでいる( ̄Д ̄;)
こちらもペレットが少なすぎて栄養が足りていないのかもしれません。貧血は心臓にも負担がかかるし次回までには改善したいです。鉄分の多い野菜をあげて見ようか。。。ほうれん草をあげる訳にはいかないし、何をあげるのがいいのかな?

以前作った野菜成分表には鉄分に関しては記載しなかったので新たによく食べそうな野菜の鉄分量を日本食品標準成分表のサイトで調べてみました(ほうれん草はあげないで下さいね)。


パセリはカルシウム・シュウ酸という問題要素も含めてダントツでミネラルが豊富ですね。
ただパセリは見た目にかさばって多く見えますが大した量じゃないのであげすぎなければ大丈夫だと思います。

意外なところで小松菜・サラダ菜、水菜がほうれん草以上に鉄分が豊富なのですね。
水菜なんか人間でも鍋の具にすればたくさん食べられるし、特に女の人は鉄分補給によさそう。
そろそろ野菜の値段も落ち着いてきたし、所長と鍋パでもしようかな?

野菜
(100g中)

(mg)
カルシウム
(mg)
シュウ酸
(mg)
アシタバ1.065
オオバ(シソ)1.7230120*
カブ(葉)2.125050
67*
キャベツ0.343100
470*
0**
ケール0.822020
少**
こまつ菜2.817051*
サニーレタス1.866
サラダ菜2.456少**
しゅんぎく1.7120
セリ1.634
セロリ0.239190
ダイコン(葉)3.126045*
チンゲン菜1.110095*
トウミョウ1.07220*
ニンジン(葉)0.992
はくさい0.343
パセリ7.52901700
ほうれん草2.049970
773*
みず菜2.12108**
ルッコラ1.6170
レタス0.319330
5~20**
糸みつば0.947

私を狩りに来る捕食動物ブーン。(音声注意)

参考資料(HP)
第2章 日本食品標準成分表

獣医師セミナーに行ってきた

そして明大祭の2日後、今度はカワイの獣医師セミナーに行ってきました。1ヵ月も前ですね^^
テーマは『うさぎのエンリッチメントな飼い方』。食生活と飼育環境についての2部制で、それぞれアメリカの獣医師でOXBOW専属獣医ディレクターのDr. Micah Kohles(マイカー・コール)さんとエキゾチックペットクリニック院長の霍野先生がお話して下さいました。

 

「(環境)エンリッチメント」とは、wikiによると-「飼育動物の正常な行動の多様性を引き出し、異常行動を減らして、動物の福祉と健康を改善するために、飼育環境に対して行われる工夫を指す。飼育動物の福祉を向上させるもっとも強力な手段の1つとされる。」-だそうです。

ペットに限らず、檻や施設に入れられている動物は食事や命を狙われる心配をしなくても済む反面、閉ざされた狭い世界での単調な生活は程度の差はあれどストレスにもなりえます。

酷くなると壁に身体をぶつけたり、自分を噛んだり毛を抜いたりといった自傷行動、自分の尾を追いかけ続けたり、首を振ったり檻を行ったり来たりする常同行動などの問題行動を起こすことも。
そこで人間が変化や刺激を与えることで、限られた空間の中でも感覚的・身体的な活動性をアップさせて退屈しない充実した生活をしてもらおうというものです。

ペットであれば既にやっている人も多いと思いますが、例えばケージにハウスやオモチャをおいてみたり、散歩に連れて行って他の動物に触れ合わせたり、窓を開けて外の風を入れたり日向ぼっこさせるだけでも刺激になる、そんな感じです。

その中で私が一番興味を持ったのが「コントラフリーローディング(contrafreeloading)」というもの。
今は動物用語というわけでもないですが、もとは動物心理学者のグレン・ジェンセンという人が作った言葉で、Contra=逆・反対/freeloading=飲食物などを人にたかる、といった意味。日本語では「逆たかり行動」と呼ばれています。多くの動物が、ただで食事を与えられるよりも、何らかの努力の対価として食事を得る方法を好むといった現象のことです。

決められた時間に決められた食事を食べるのではなく、自分で採餌(さいじ)行動ができる方が動物にとっても好ましい、ではそれができるように飼い主が工夫してあげようと言うのです。

Dr.コールが見せて下さった動画には、屋外に作った「ピタゴラスイッチ」のような装置の中をリスが駆け抜けてエサにたどり着く様子や(このリスは自然界でもっと簡単に木の実を取れるのにこの面倒な装置が好きらしい)、ハムスターのケージの中に生きたゴキブリ(!)を入れて捕食させたりしてる様子が映ってました。(これはハードルが高いよ。。)

でもこういうの面白い! と思った私に数日後、タイミングよく娘がInstagramで@puffytailsという方の10月16日の動画を見せてくれました。


可愛いうさぎ達とイケメンが同時に楽しめるというちょっとズルいアカウント。

メッチャ楽しそう。ということで数日後には早速オモチャをゲットしてブン所長で実験しました。
所長は遊び好きなのですぐにノッてくれました。似たような動画が続きますがすみません^^

1. まずは3個から。1番下のカップにオヤツやペレットを入れてます。

2. そして増えていくカップに手こずるブン所長。日々練習だ。。

3. 3週間もするとかなり手際が良くなってきました。

これは「コントラフリーローディング」の効果にはなっているのか、私が芸をさせたいだけか(笑)はともかく、音を聞いて張り切ってやるようになったのでまあ楽しんでくれているのだと思います。少しは研ぎ澄まされたかな?


日本は住宅事情によってもできることが限られるので、例えば牧草を敷き詰めたところにペレットなどをパラパラと撒いて探させたり、下に隠して匂いで探させる、部屋のあちこちに分けて置いて食べるために移動させる、などでも充分な効果があります。

このように食事を分散させる与え方は「scatter feeding(散布給餌?)」と言って
◎メリットは
・満腹になると探すのをやめるので肥満の防止になる
・動物がエサを探しまわる自然な行動が促進される
・エサを探すことによって脳が刺激され、問題行動の原因にもなる退屈を防止する
など。

探すことによって運動量も増加し、見つける楽しさはストレスの発散にもなると思います。

◎デメリットは
・食べた量の把握が難しい。普段より食事量が減っていても気づきにくいので不調の時に対応するのが遅れてしまう
・複数のペレットなどを混ぜてあげている場合、選り好みして好きなものばかり食べてしまったりと、栄養バランスの管理が難しい

など。

それぞれの子の性格にもよりますが、色んなイベントを考えてみるのも楽しそうです。
モルモットやうさぎなどの草食はそもそも肉食動物ほど「エサを取りに行く行動」はしませんし、ストレスになってしまうと本末転倒なので楽しめる範囲でどうぞ。

それにしても「退屈」のケアまでしてもらうとは最近の動物福祉は進んでますね。

ちなみにこのコントラフリーローディングは猫には通じないようで、猫の皆さんは与えられた食事の方を選ぶのだそうです。猫の皆さんもレッツ・トライ!


穴からペレットが出てくる犬のオモチャ。手も使って器用に転がしてます。

参考資料(HP)
BOWL OR SCATTER FEEDING?

学園祭に行ってきた 2

先日の講演会の話の続きです。

杉本さんの講演の後は神野あきらさん、平林雅和さん、和﨑聖子さんを交えて4人でのパネルディスカッションが行われました。始めに神野あきらさんがアメリカの愛護活動についてのお話をして下さり、面白かったので書きます。

神野さんは現在メリーランド州ボルチモアで動物福祉NPO団体「Sunshine Smile」の代表として活動されています。
もともと動物が好きだった神野さん。ご家族の仕事で渡米した当初は英語があまり解らず、地元の無料の英語クラスで勉強していたそうなのですが、しばらくすると無料の期間が終わってしまい、その先のクラスは有料ということに。
「せっかくアメリカにいるのにお金を払ってまで英語を習うのはもったいないな。」と思っていたところ、知り合いに「動物ならあなたが日本語だろうと英語だろうと関係ないよ。」と薦められて動物のボランティア団体に参加したのが愛護活動に関わったきっかけだそうです。

ボルチモアはアメリカの中でも治安の悪い地域で(総犯罪件数は全米平均の約2倍、殺人事件は約7倍!)、いまだにピットブルやロットワイラーを使った賭博目的の闘犬(ドッグファイト)も行われています。
現在、闘犬はアメリカ全土で禁止されているため摘発されれば重罪なのですが、闘犬賭博はギャングやマフィアの資金源になっていて、割と手軽に始められる上に犬の飼育も試合も人目につかない室内で行われるため、なかなか発見が難しいそうです。

闘犬目的で飼われた犬たちはずっと自宅の地下室などに閉じ込められたまま育てられ、闘志を煽るために狭いケージに入れられて棒で叩いて脅かされたり、ウォーキングマシーンなどで無理なトレーニングをさせられたりして肉体的にも精神的にも追い込まれた状態で育ちます。

中には過酷なトレーニングで亡くなってしまう子も。病気になっても治療を受けることはありません。
そうして試合に出ても怪我を負ったり老いたりして使いものにならなくなれば撲殺されてしまい、レスキューされてもピットブルはしつけのし直しが難しいことから殺処分されてしまうなど、闘犬の一生はどのみち悲惨なものだそうです。

ときには試合に出た犬同士を興奮させるために、小型犬や猫が投げ込まれることもあり、里親募集で貰われた猫が犠牲になることもあるそうです。
そんなドッグファイトを見学に来る子どもたちに動物愛護の心は育ちづらく、その負の連鎖を断ち切りたい、子供のうちから動物と正しく関わる情操教育が重要だと考えたことが今の団体立ち上げのきっかけにもなったとおっしゃっていました。

神野さんは保護猫や地域猫活動にも長年力を入れており、不幸な猫を減らすためにTNRや餌やりだけでなく、猫を通して動物福祉に関心を持ってもらい、地域住民全体の意識を変えていこうと活動されています。

ボルチモアは貧困地域でもあるため、神野さんの団体はときどき無料で飲み物と食べ物を配るイベントを実施し、それを目当てに集まってきた人たちに啓発活動を行っています。
特に食べるのに時間のかかる「ドーナッツを食べはじめたらチャンス!」だそうで、「それを食べてる間だけ話を聞いて!」と言って、ペットを飼っている人たちには無料の不妊手術の紹介や、マイクロチップ・室内飼育の重要性、適切な飼育方法(太らせ過ぎはダメなど)の説明をされているそうです。

最初は話が理解できないといった反応の人たちでも、中には「無料で手術できるなら。。」と言ってくれる人もいて、次第に神野さんの行っているTNR活動など不幸な野良猫を減らすことにも理解を示してくれるというわけです。
逆に闘犬や虐待の情報などをリークしてもらうこともあるとか。

保護猫の中には家庭で飼われるのに向かない猫もいて、そんな猫たちは農場で働く「バーンキャット」として、納屋などを寝床にしながらねずみ番として働き、そのかわりに食事や医療の提供を受けるという形で引き取られて行く子達もいます。


日本、特に東京に住んでいると治安がいいのはもちろんですが、闘犬やバーンキャットなど初めて聞くような動物事情が多く、国や地域が違えば福祉の問題点も違ってくるものだなと思いました。アメリカ有数の犯罪地域で活動されているだけに話の内容は重かったのですが、神野さんの明るいキャラクターと軽快な話しぶりに引き込まれ、暗い気持ちにならずに最後まで楽しめました。

私から見ても華奢な神野さんが、ガタイのいい白人や黒人に混じって地域活動したり団体を運営している度胸とパワーは素晴らしいです。かなり目立つだろうに、大丈夫なのかな?心配。。

動物虐待の多い地域ではその他の犯罪も多く、シカゴ警察によると3年間で動物虐待の罪に問われた人のうち、65%には人間に対する余罪もあったそうです。
動物の問題を解決するには、まず人間側の問題を解決していかないといけないともおっしゃっていて、まさにその通りだと思いました。

神野さんは東日本大震災のときも被災地動物情報ブログを立ち上げたり、日本のボランティアとも積極的に関わっていらっしゃいます。
Happy Go Lucky Animal Rescue In AmericaのHPでは上記の話の他にも神野さんの読み応えのあるブログが掲載されていますので是非読んでみて下さい。


日本での闘犬は自治体によっては禁止されていますが、未だに行われている地域もあるようです。遅れてますね。。
高知の「とさいぬパーク(土佐闘犬センター)」は観光向けに闘犬を行っていましたが今年の5月に閉園しています。(その後の犬たちも無事らしい)
禁止しなくてもこんな風に悪習が廃れていくのは嬉しいことです。

youtubeにあった閉園前のとさけんパーク。殺し合ったりまではしないようですが。。

※写真と本文は関係ありません。