ベジタリアンになりたい?

クレイジージャーニーという番組をご存知でしょうか。
冒険家、ジャーナリスト、写真家、作家などちょっと振り切れたエキスパートたちが毎回出てきて、海外の辺境地や深海など、私が恐らく一生知ることのない世界を紹介してくれるのが面白くて時々観ています。

少し前になりますが1月19日の放送では食材を自分で調達しながら静岡で「竹染」という割烹料理のお店を営んでいらっしゃる片桐邦雄さんという方が出演されていました。

片桐さんは「美味しんぼ」にも登場したことがあり、春は養蜂、夏は川漁、そして冬の間(静岡は11月15日~2月15日が狩猟期間)は毎日山に入って罠を仕掛け、かかったイノシシやシカを自分でさばいてお店で提供しているマルチハンターです。
片桐さんは「罠猟(わなりょう)」という猟法にこだわっていらっしゃいます。猟銃で仕留めてしまうと血抜きがうまくいかず肉の臭みの原因になり腐敗も早まって肉がダメになってしまうのだそう。「せっかく山の動物の命を頂くのだから最高の状態で美味しいものを提供したい」という片桐さんの料理人としてのプライドを感じます。

片桐さん手作りの罠は一見トラバサミのようですが、乗った時にワイヤーが締まって捕獲する仕組みになっていてこれ自体は痛みを発生させるものではなさそうです。
(日本では2007年から狩猟におけるトラバサミの使用は禁止です)
番組では実際に片桐さんの車で一緒に山に入り、獣道を探して罠を仕掛ける作業や仕掛けた罠の見回りをするところに同行していました。
あちこちに合計30個くらい罠を仕掛けているそうです。

見回った罠の1つにオスのシカが掛かっていました。片桐さんは近づいていって片手でツノを押さえ、もう片方の手で手際よくガムテープを顔に巻いて視界を封じていました。目を塞ぐことで必要以上の恐怖感を無くせるらしいです。
直接の刺殺の場面はありませんが、このあたりから正直「うわぁ。。」と思うような映像が続きます。でも屠殺で調べてみると原則として気絶させた後で失血死させるものなんですね。今のところ速やかに且つ苦しませずに動物を絶命させる最良の方法なのか。。
気絶させるのは動物に必要以上の恐怖感や苦痛を与えないようにという配慮と、また不慮の事故を防いで作業者の安全を確保するという目的もあります。

片桐さんの料亭は美味しいと評判で県外からのお客さんも来ています。皆さん「さっぱりして美味しい、臭くない」「こんな柔らかい丁寧な肉は初めて食べた」と満足していて片桐さんも嬉しそう。
「動物愛護の観点から可哀想という人もいますが、皆さんの食べているお肉も必ず誰かが潰しているのです。山からの恵みは責任を持って感謝して頂くことが大切だと思っています。」と全くごもっともなことを仰っていました。

ただ罠にかかった動物が屠殺されるまでの不安とストレスは計り知れなく、やはり動物愛護の観点から課題の多い狩猟方法だとも思いました。
目隠しで多少の恐怖心は抑えられるのかもしれませんが捕獲される時のシカは悲鳴をあげていて拘束されて運ばれるときの姿も痛々しく見えました。
それに片桐さんが自分の料理に自信を持つ素晴らしい料理人であり、罠猟に真剣に向き合ってるのは理解できますが狩猟は仰っているような「獣との騙し合い」ではないと思います。イノシシやシカに騙す気はさらさらないですし「命がけの戦い」といっても動きを封じられている動物が圧倒的に不利です。

そして、私にとっても色々と考えさせられる回でした。普段自分が考えている「生き物に感謝しておいしく頂く」という言葉が上辺だけの薄っぺらいものに思えてきて、さっきまで「うわあ。。」なんて言っていた自分が甘い考えのアホに思えてきました。普段食べている肉は「誰かに屠殺という大変な作業を肩代わりしてもらった、気絶されられて失血死した動物なんだな」と。

最後に片桐さんの飼っている「クウ」というペットが出てくるのですが何と巨大なイノシシ!
以前たまたま6頭捕れた日があって、まだ子供だったクウちゃんを後回しにして解体場の隅に繋いでおいたところ、片桐さんに懐いてしまい潰せなくなってしまったそうです。
何だか不思議な気もしましたがクウちゃんの話をしたり、なでている時の片桐さんはペット自慢をするただの動物好きのおじさんに見えました。

上記は私の個人的な感想なのでもし大丈夫なら実際に観るのがオススメです。観るなら最後まで観て下さいね。ベジタリアンの人は白目剥きそうなのでおすすめしません。
◎ハンター歴45年の孤高の男

下の動画はクレイジージャーニーで私の大好きな「洞窟探検家 吉田勝次さん」と「ノンフィクション作家 高野秀行さん」の2本。
こちらは楽しいです!

◎クレイジージャーニー 洞窟探検 吉田勝次

◎世界中の辺境を旅する男・高野秀行がアヘン密造地帯に決死の潜入!

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