前回もそうでしたが最初は緊張して出てくるのに時間がかかります。
白目が出るくらい目がパッチリしてて、女の子みたいなきなこくん。
もうおばちゃんだけど一応女子な所長にも興味を持ってくれました。
普段お家ではゴロゴロしているそうですが、そんな事が信じられないくらいにせわしなく走り回るきなこくん。
お家に帰ったらゆっくり休んでね~。
先月から所長に良さげなペレットを探すために各メーカーのペレットの成分と原料などについて調べていました。
今まではあまり新商品にチャレンジする気はなくて「大した量はあげてないし、健康なんだから別に変えなくても」というスタンスで、銘柄もメジャーな数社の商品しか知らず。。
でも調べ始めると思った以上に銘柄が多くて、各メーカーそれぞれ個性があり、隠れた人気商品もあったりして楽しい。うさぎ市場は広いですね。
で、あまりに多いので個人的な条件ですが
1) 以前書いたように野菜好きでペレット消費量が少ないので1kg以下の単位で買える。
あるいは中身が小袋に分かれている。
2) 主食扱いで主原料がチモシー。
3) 粗繊維質が20%くらいは期待できそう。
そしてできれば。。
4) ペレット粒の成分が共通であるもの
(野菜粒などが混ざっていると選んで食べるし体調不良の時に給餌しづらい)。
5) ネット通販でも取扱店が多く専門店や病院でなくても手に入るもの。
6) サプリとしてあげたいのでビタミン・ミネラルなどが添加されている。
という条件で絞って、下記の5商品を購入してみました。(メーカー50音順)
以下選んだ理由と商品紹介もサラッとします。
掲載されたデータは2017年2月時点のものなので、今後各メーカーさんの商品の改良・改定でそのうち変動します。原材料はザックリ書いています。表は見づらくてすみませんがPC推奨です。
◆イースター プレミアムレシピ ヘアボールケア シニア
プレミアムレシピ ヘアボールケア | 代謝エネルギー (kcal以上 /100g) | たん白質 (%以上) | 粗繊維 (%以下) | 脂質 (%以上) | カルシウム (%以上) | リン (%以上) | 灰分 (%以下) | 水分 (%以下) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
シニア | 260 | 13.5 | 21.0 | 2.5 | 0.6 | 0.3 | 9.0 | 10.0 |
>>原材料
チモシーミール/えん麦/脱脂大豆/乾燥おから/米糠/タピオカ澱粉粕/ビール酵母/脱脂米糠/ビートパルプ/ゼオライト/ブドウ糖/植物抽出発酵エキス/アガリクス(β-グルカン源)/たんぽぽ粉末/おおばこ粉末/乾燥カモミール/乾燥ローズマリー/殺菌処理乳酸菌/ミネラル類/ビタミン類/アミノ酸類/他
1kg(250g✕4)
原料の牧草を高繊維質の「チモシーのみ」、そして「グルテンフリー」「乳酸菌(EC-12株)」の力で毛玉予防しようというペレット。小麦粉は使わずタピオカ澱粉粕をつなぎに使っています。
グロース(仔うさぎ用)からチモシーだけですがたんぱく質やカルシウムも充分ありそうです。一般的に成長期は丈夫な身体を形成するためカルシウムやタンパク質の多いアルファルファを与えた方がいいとされています。成長期にカルシウム不足だと骨形成が不充分で不正咬合の原因などにもなります。
特に子うさぎのうちはペレット中心で、お腹がデリケートなため切り替えも難しいので慎重に選びたいです。
所長はずっとメンテナンスをあげていたので切り替えやすそうだし、250g✕4の小袋仕様になっているのが嬉しいです。650~700円とコスパがいいのも助かります。
◆ヘアボールは過剰ケアにご注意
毛球症予防(ヘアボールケア)系の商品は「油脂の潤滑作用で毛球を排出する」ものと「繊維質の力で排出する」商品があります。
油脂の効果を狙ったペレットは通常の商品には入っていない植物油脂やヒマワリなどが添加されていて、粗脂肪4~7%と脂肪分もカロリーも高くなっています。
某メーカーのヘアボールケアサプリメントの主原料はショ糖(砂糖)と植物油です。バタークリームみたいでおいしそうですけどね。。
人間用でも小林製薬から油脂潤滑作用を使った「オイルデル」という便秘薬が出ているのでうさぎに限らず油は効果的なのでしょう。相変わらず小林さんはネーミングが素敵です。
でもサプリと毛球予防のペレット両方あげたら食事がオイリー過ぎですね、きっと。
◆Wooly シニアブルーム
粗たん白質 (%) | 粗繊維 (%) | 粗脂肪 (%) | カルシウム (%) | 粗灰分 (%) | 水分 (%) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
シニアブルーム | 13.5-15.5 | 17.5-21.0 | 3.0-4.0 | 0.5-0.6 | 6.0-7.5 | 3.0-4.5 |
>>原材料
牧草:ティモシー/イタリアンライグラス/バミューダグラス/クレイングラス
穀物:小麦ブラン/コーンフラワー/大麦/オーツ麦/脱脂大豆/エンドウたんぱく/小麦粉/米ぬか
ハーブ:アルファルファミール/ランスロット/クワ葉/ビワ葉/オレガノ精油/かぼちゃ種子/オオバコ/スイカズラ/ベニバナ/ひまわり種子/アマニ/ゴマ
その他:パーム油/ビール酵母/食塩/納豆菌/ミネラル類/ビタミン類/アミノ酸類/他
800g(400g✕2袋)
原材料の表示が細かくて成分表示も変動幅が書いてあるので安心してあげられます。
原材料は牧草以外の穀類・ハーブ・種子類などが多種類入っているためか数値的にそこまでヘルシーという感じではありませんが、普通の牧草をよく食べているのならペレットで食材のバリエーションをつけてみるのは栄養バランスがいい気がします。
ネット通販でも専門店でないと扱っていないので上記の条件5には当てはまりませんが、以前から一度試してみたいと思っていたのでこの機会に買ってみました。カロリー表示があるとなお嬉しいのですが。。
年齢的には「シルバーブルーム」の対象ですがややお高いので「シニア」にしました。
きっとそんなに変わらないさ。
◆オリミツ ナチュラルファイバー
粗たん白質 (%・平均値) | 粗繊維 (%・平均値) | 粗脂肪 (%・平均値) | カルシウム (%・平均値) | リン (%・平均値) |
|
---|---|---|---|---|---|
ナチュラルファイバー | 8.2 | 31.4 | 2.1 | 0.4 | 0.2 |
>>原材料
チモシー牧草/アップルファイバー/パパイヤ
500g
オリミツ商事さんのHPを見ると主食でなく「牧草」扱いになっていますのでこれも条件から外れてしまっていますが、原料がとてもシンプルなのに惹かれました。
アップルファイバーとパパイヤが入っていますがほぼ牧草だけで見た目もどちらかと言うとペレットよりヘイキューブが小さくなったイメージ。つなぎなしで固まっていて凄いです。
原料が明確なので違った意味でこちらも安心して購入できますし、当然ながら高繊維・低脂肪・低カルシウム。咀嚼回数が増えて歯の健康維持や肥満防止によさそうです。
こちらもカロリー表示がありませんが牧草+αと思われて推測しやすいです。
◆牧草以外の繊維質
ナチュラルファイバーの粗繊維量の多さはダントツでまさにチモシーそのものです。
ペレットで牧草以外の原料によく使われる糟糖類(ふすま/ブラン/ホイートミドリングス・米糠)や大豆殻・ビートパルプ・ポテトパルプなどはそこそこ繊維質が多い食品で、これらの原料の繊維もペレットの「粗繊維」の数値に反映されています。
安易な計算ですが「粗繊維が30%のチモシー」と「10%の混ぜ物」が1:1でも粗繊維20%のそこそこ繊維質の多いペレットになるんですね。
これら穀類などの副産物は牧草と比べると消化機能の促進や栄養価の点で劣りますので、選ぶときは成分表と原材料を照らし合わせながら決めるといいと思います。
◆ハイペット うさぎのきわみ
エネルギー (約kcal /100g) | 粗たん白質 (%) | 粗繊維 (%) | 粗脂肪 (%) | カルシウム (%) | 粗灰分 (%) | 水分 (%以下) |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
うさぎのきわみ | 240 | 14.0-16.0 | 20.0-24.0 | 2.0-4.0 | 0.5-0.7 | 5.0-8.0 | 10.0 |
>>原材料
牧草(チモシー、アルファルファ)/豆類(きなこ、おから、脱脂大豆)/野菜類(にんじん、小松菜)/糟糠類/オリゴ糖/乳酸菌EC-12(殺菌処理)/ミネラル類/ビタミン類/アミノ酸類/他
850g
小麦不使用に加え、代替品としてよく使われるポテトやタピオカなどのでん粉類、トウモロコシ・えん麦などの穀類も使用しない「グルテンフリー」&「でん粉類・穀類フリー」のペレット。
パッケージに「吸水して直ぐにほぐれるので胃腸内で分散しやすい」とありますので歯があまり丈夫でない子や高齢うさぎさんに食べやすそうですし、でんぷん質がなくて栄養価が高いのは長毛種の子にもありがたいです。
豆成分が多いからかタンパク質がやや多めで、成長期や換毛期の栄養補給にもよさげです。
ちなみに850g/1,944円(税込)と今回一番の高額商品。
米5kgくらいの値段だし!
◆「グルテンフリー」どうでしょう
ジョコビッチ選手やハリウッドセレブの影響で?うさぎ界にも「グルテンフリー」の波が来ています。アレルギーではない人間やうさぎへのグルテンフリー効果については私にはよくわかりません。。でも気になるので買ってみました。
昨年受講したうさぎの食事のセミナーで「毛球症では純粋な毛球よりも粘土状の塊が詰まっている症例が多く、この粘土物質はグルテンが発生要因の一つになっていると言われている」というお話がありました。
何となく普段からお腹の調子がすぐれない子は試してみるのもいいかなと思います。
ただ人間と同じようにうさぎの消化機能にも個体差がありますし、グルテンに限らずでんぷん質・糖質はいずれもお腹の不調の原因になりますので小麦粉さえ摂らなければ毛球症にならないというわけではありません。お互い糖質はなるべく控えたいところです。
◆ハイペット ナチュラルレシピ りんごはちみつ
ナチュラルレシピ | エネルギー (約kcal /100g) | 粗たん白質 (%以上) | 粗繊維 (%以下) | 粗脂肪 (%以上) | カルシウム (%) | リン (%) | 粗灰分 (%以下) | 水分 (%以下) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
りんごはちみつ | 260 | 13.0 | 21.0 | 2.0 | 0.4-0.6 | 0.4-0.6 | 6.0 | 10.0 |
>>原材料
チモシー/小麦粉/糟糠類(ふすま、米糠)/アルファルファ/コーンミール/グルコース/はちみつ/アップルパウダー/食塩/オリゴ糖/乳酸菌EC-12(殺菌処理)/ミネラル類/ビタミン類/アミノ酸類/他
500g
他と比べると変化球な商品な気がしますが数値や原材料を見ると割とヘルシーです。
粗挽きチモシーと乳酸菌で毛球予防、アミノ酸(リジン・メチオニン)で被毛の健康、リンゴとはちみつでおいしく食べてもらおうという個性や強い自己主張はないけれど誰にでも合うオールマイティー感のあるペレット。
上から見てくると原材料のでんぷん成分が多いような気もしますが、繊維質も確保しているのでそれほど比率は高くないのかな。
ものによってはふすまが主原料なんていうペレットもまだまだありますもんね。
500gで700円と買いやすい量とお値段も魅力。
◆乳酸菌は
イースターやハイペットの商品に入っている「殺菌処理乳酸菌EC-12」。生きて腸まで届く乳酸菌などの微生物を含む食品を「プロバイオティクス」というのはヨーグルトの広告などでよく耳にしますね。
うさぎの胃は強酸性(ph1.0-2.0)なため生きた乳酸菌を腸まで送るのは難しいのですが、死菌であるEC-12は生きた菌よりも胃酸で菌数が減少せずに腸まで届き免疫活性を誘導してくれる「プロバイオティクス」効果をもつ乳酸菌です。
また、腸内で善玉菌を増やしてくれる作用を持つ食品のことは「プレバイオティクス」といって牧草の食物繊維やオリゴ糖などがこれに当たります。
この両方を同時に摂取する「シンバイオティクス」は腸内環境を高めるのはもちろん、他にも抗アレルギー効果や免疫機能の向上の効果もあります。
うさぎの腸内には乳酸菌が少なく最善の乳酸菌の種類も不明だそうですが、乳酸菌サプリで効果があったといううさぎさんもいるので腸内環境はうさぎそれぞれなのか。。謎ですね。
同じ食事内容でもウンチがいい子と軟便する子がいたりと、体質によって適切な食事が違ってくるのがうさぎの食事管理の難しいところです。
そのうちそれぞれのペレットで所長の嗜好性テストなどしてみたいです。
また、ペレットを変えて所長の身体に何か異変?などが起こったらそれも書きたいと思います。
参考資料:ラビットフードについて/2016年6月26日@EIC(Exotic Information Center)
講師 霍野晋吉(獣医学博士・エキゾチックペットクリニック院長)
昨年受けたセミナーの霍野先生のお話を参考にさせていただきました。
当日の資料と説明がイブラヒモミッチさんのEvernoteにアップされています。
クリニックのHPにも解りやすく詳しい食餌についての説明がありとても勉強になります。
参考HP:コンビ株式会社 ファンクショナルフーズ事業部
高密度濃縮殺菌乳酸菌EC-12