今年の初め頃にニュースで見た方も多いと思いますが、1月にスイスで「生きたままのロブスターを茹でててはいけない」という法律が成立しました。
「ロブスターは痛みを感じる高度な神経系を持っている」と言われる研究結果を踏まえて、今後は茹でる前に即死させるか、電気ショックなどで失神させてから調理しなければなりません。
今回の法改正ではその他にも、ロブスター以外の甲殻類も生きた状態での氷漬けは禁止され、海水につけたまま運送や保管をしなければならなくなりました。
内陸のスイスに海水ごと運ぶのは、コストがかさみそうだし鮮度も微妙そう。。
そもそもスイスは1991年から鶏のバタリーケージを禁止している、動物愛護では何かと進んだ国なのです。
スイスの動物福祉と権利法では2008年からブタやモルモット、インコ、金魚などの単頭飼育が禁止されています。もともと集団生活する動物なのに、仲間と関わらせてあげないのは適正飼養ではないというわけです。
でも、もしモルモットを2匹飼ってても必ずどちらかが先に死んでしまいますね。そんなときのためにスイスにはモルモットの貸出業者まであるのです。
その他にも
・フックを使った釣りをする人は人道的な方法で釣るための(?)有料講習を受けなければならない。当然キャッチアンドリリースや生き餌は禁止です。
・犬のオーナーは犬の行動・心理についてそれぞれ有料講習を受けなければならない。
・病気の金魚は化学物質で安楽死させなければならない。
と様々な動物愛好家の意見が反映されているのが推測できます。
もちろん、実際ペットを飼っている家が一軒ずつチェックされることはないので、努力義務的な感じだと思いますが、モルモットやインコにとって孤独がストレスになるのだ、と国民に周知されるだけでも動物への理解が深まりますね。
日本の動物愛護法では魚類は対象になっていませんし、住宅事情もあって実現が難しいものもありますが、いずれ動物福祉の水準が上がってくれば、踊り食いなどは当然ながら、いつかアサリの酒蒸しも食べられなくなるのかもしれません。(冷静に考えるとアサリも可哀想な気がします)
一方で、スイスの一部の人達は猫の毛皮に触れることでリウマチの痛みが軽減できるといまだに信じていて、国内では数年前まで猫の毛皮のコートや毛布が合法で取引されていたようです。
日本でも未だに犬猫、蛇の皮などで楽器を作っているし(中国等からの輸入ですが。楽器は動物材料のものが結構多い)古くからの伝統は慣れちゃってるので案外見落とされがちなのかも。
「野良猫が猫取り業者に捕獲されて三味線にされている」という都市伝説(?)もあるようですが野良猫は皮に傷がついていて使い物にならないらしいです。
この辺の真偽は不明なのですが。。実際今売ってる三味線はほとんど合皮か犬皮です。
最近はまた和楽器がブームになってきているので、もし何か始めようという方は是非合皮でできた楽器で練習したらいいと思いますよ。
音が違うって? 知らんがな^o^
参考資料(HP)
Switzerland’s Cat-Fur Trade
Swiss law orders pet buddy system
This Country Is Making It Illegal to Boil Live Lobsters